森鷗外「高瀬舟」大正5年1月 [森鷗外]

ものすごい久しぶりの更新ですが、何ごともなかったかのように始めたいと思います。
しばらく鴎外の作品をいくつかまとめて紹介したいと思います。
まずは「高瀬舟」から。
高校の現代文の教科書にも載っている、非常に有名な作品ですね[モバQ]
久しぶりの更新なので、以前の記事がどんなテンションで書かれていたのか、
いまいち人様のブログに勝手にお邪魔して書いているような感覚もありますが、
張り切っていってみましょう!
ブンブーン!

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江戸時代、京都の高瀬川には、島流しの刑を下された罪人を大阪に送還するための舟が行き来していた。罪人を大阪に送るのは、町奉行の同心の役目とされていた。

寛政のころ、喜助という三十歳くらいの男が弟を殺した罪で流罪を言い渡された。
護送を命じられたのは同心・羽田庄兵衛。
庄兵衛は、流罪を言い渡されながらも悲しんだり苦しんだりする様子を見せず、
むしろ穏やかで落ち着いた心持ちであるような喜助を不思議に思う。
庄兵衛は喜助に話し掛け、流罪が決まった今の心持ち、そしてなぜ弟を殺すことになったのか、
喜助の身の上話を聞くことにした・・・・・・。

喜助は、流罪が決まり幕府から二百文の金を受け取ったが、これまで生きてきて、二百文という大金を手にしたことはなかったという。
今まで必死に働いて生きてきたが、働いても得た賃金は全て借金の返済に回してしまい、
常に借金返済に追われる自転車操業のような毎日だった。
そのため、二百文という大金を貰えるだけでとても有り難い、始めて満足を感じている、そう喜助は言うのである。
この喜助の言葉を聞いて、庄兵衛は我が身を振り返った。
妻と四人の子ども、老母の7人家族で暮らす庄兵衛であるが、
幼い頃から贅沢が身に染みついている妻は、倹約的な生活に我慢できず、ことあるごとに里から金を借りて来る。借財を嫌う庄兵衛はそれに文句を言うが、妻の贅沢癖は治らず、夫婦喧嘩が度々起こる。
武士の身分でありながら、このような生活をする自分を庄兵衛は、
結局人からもらった金を人に渡すだけ、喜助と変わらないのではないかと思い始める。
そして、その一方で、二百文という金で満足を感じている喜助に比べ、
自分は満足などしたことはない、常に、職を失ったらどうしよう、病気になったらどうしようと、
不安にとらわれていることに気付いた庄兵衛は、
喜助に対して畏敬の念を持ち始める。

喜助に対して敬意を感じた庄兵衛は、
なぜ喜助が弟を殺したのか、その犯行の経緯を尋ねる。
喜助によれば、
両親を早くに亡くした喜助は、弟と二人力を合わせて生きてきたが、
去年の秋、弟が病気になり働けなくなったという。
そして、自分が働けなくなったことを弟は申し訳なく感じていた。

ある日、喜助が仕事から戻ると、弟が咽に剃刀を突き立てて血まみれになって倒れていた。
働けない以上足手まといでしかないから自ら命を絶とうとしたのだが、
死にきれず、咽からはヒュウヒュウと息が漏れている。
弟は剃刀を抜いてくれれば死ぬことができると、喜助に懇願した。
喜助は医者を呼ぼうと言ったが、弟が必死の形相でそれを拒むので、
ついに喜助は弟の望むようにしてやろうと剃刀を引き抜いた。
ちょうどそのとき、近所に住む老婆が入ってきたため、
喜助は弟を剃刀で殺したと勘違いされ、連行されたのであった。

この話を聞いた庄兵衛は、これを弟殺し、人殺しと呼んでいいのか疑問に思う。
喜助が手を下さなくても弟はそのうち絶命した。
喜助によって、弟を苦しみから解放されたのであり、それを「殺し」と呼んでいいのか、
庄兵衛は疑問に思い、その答えをどう出していいのか悩んだ。
悩んだ結果、庄兵衛は「オオトリテエ」に従うことに決めた。
お奉行様の判断にそのまま従おう、そう決めたのである。
しかし、心の中にはまだ納得できない気持ちもあったので、
お奉行様に尋ねてみたい、庄兵衛はそんな気持ちに駆られるのであった・・・・・。

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あ〜久しぶりに書いたのでまとめるの難しかった〜[失恋]
っていうか、
まとめるのが難しい作品でした!

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山椒大夫・高瀬舟 他四編 (岩波文庫 緑 5-7)

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  • 作者: 森 鴎外
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/10/16
  • メディア: 文庫



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