バーバー [好き放題の映画レビュー]

みなさん、こんにちは! 腐りかけのりんごおばちゃんだよ!



今週も忙しかった・・・・・・・('A`)
なんで日本人はこんなに働かなければいけないんでしょう。
もういやだよ、サンタマリア。



よし、映画を観て気分転換するぞーーー!
というわけで、
映画を観ました。
『バーバー』です。



2001年に製作された、コーエン兄弟監督作品です。



私は、コーエン兄弟の作品が大好きです。
特に好きなのは『ファーゴ』で、
何度も繰り返し観ています。
特に大雪が降った日は、観たくなるんですよねぇ〜。


『バーバー』も今回が初めてではありませんが、
随分久しぶりに観ます。



どんなお話かというと、
妻の父親が開いた床屋で働くエド
義父は亡くなり、義弟と二人で床屋を切り盛りしています。
妻のドリスはデパートで経理を担当していますが、
職場の上司とデキています。


毎日、ただ髪を切るだけの毎日に飽き飽きしていたエドは、
たまたま知り合った投資家の話に乗ることにします。
が、投資に必要な金額は100ドル
100ドルを捻出するために、
妻の浮気相手を恐喝することにします。
が、
事態は思わぬ方向に進んでいきます・・・・・・・。



私は、『バーバー』は『ファーゴ』と姉妹作品だと思っています。
ほんの小さな欲を持ったことで、
転落を余儀なくされる中年男性を描いた物語、
という点で2作は共通しています。


が、『ファーゴ』の主人公が最初から最後までマヌケなのに対して、
『バーバー』の主人公・エドは、
まあ、結局はマヌケなんですが、
見た目は渋くてかっこいいです。


エドを演じるビリー・ボブ・ソーントンは、
つねに煙草をくわえて苦み走った顔をしています。
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かっこええ。
さすが、アンジェリーナ・ジョリーを嫁にした男!
ファーゴの主人公・ジェリーが常に泣き顔なのとは大違いです。



今回、初めて気付いたのですが、
原題は『The man who wasn't there』なんですね。
“そこにはいなかった男”
誰のことを指しているのか、色々解釈が成り立ちます。



以下、ちょっとネタバレします。




The manがエドのことを指すのであれば、
犯行の夜自宅にいなかった、とも取れるし、
クレイトンの殺害現場にはいなかった、とも取れます。


さらには、
エドを無罪にするために弁護士が作り上げた物語の中に、
本来のエドはいやしない、とも取れますし、
エド自身が、自分の生活に満足せず、
床屋なんかで一生を終える男じゃない、
そう思っていたことを指しているとも言えます。



エドに新しい人生をもたらす投資家なんて存在しなかったし、
ドリスを無罪にする敏腕弁護士もいませんでした。



The manは女性を指す可能性もあるので、
ピアニストの金の卵もいなかったし、
金の卵を支え、育てるマネージャーもいなかった。
ああ、そうだ、
ドリスが妊娠した瞬間、エドはそこにいませんでしたね。



この映画は、
存在のあやうさをテーマにしている映画だと思います。
こうありたいと思う自分と、そう思っている瞬間の自分、
他人の目にうつる自分の姿、
他者から与えられる自己評価、
すべて一致することはありません。


結局、人間は自分が作り上げる物語と、
他者によって作り上げられる物語とのバランスをうまくとって、
永遠に満足することのない自分を認めて生きていくしか
ないんだと思います。


エドの抱いた欲望は、
決して特別なものじゃないし、過剰な欲望でもありませんでした。
誰もが持ち得る欲望だと思います。
が、その小さな欲望がエドの人生を破滅に追い込む、
そこに痛烈な皮肉、風刺が生きているんだと思います。



人の人生なんて、
切っても切っても生えてくる髪の毛を切るようなもの、
欲なんて持っちゃいけないよ、
そういうシニカルなメッセージが込められた作品なんです。






では、今回はこの辺で失礼します!
拙い文章にお付き合い下さって、有り難うございます!

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メルシーボークー!




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