縞模様のパジャマの少年 [好き放題の映画レビュー]

こんにちは! りんご@腐りかけです!



さて、今週末は比較的映画を観る時間が取れそうです。
まずは、
『縞模様のパジャマの少年』を観ました。



2008年に製作されたアメリカ・イギリス合作映画です。



ナチス政権時代のドイツ。
8歳のブルーノ少年は、軍人である父親が
ユダヤ人強制収容所の所長になったたため、
ベルリンから田舎に越してきます。
引っ越してからは、
学校にも行かせてもらえず、
家の敷地内に閉じ込められ、
誰とも遊ぶことができません。


探検が大好きなブルーノは、
母親の目を盗んで、
家の裏手にある“農場”に遊びに行きます。
そこは”農場”ではなく、
実はユダヤ人強制収容所なのですが、
幼いブルーノはユダヤ人が迫害される理由も分からず、
収容所に収容されているユダヤ人少年・シュムールと親しくなります。


金網越しに親しくなる二人。
が、もちろん二人の友情が続くはずもなく、
二人の前にはあまりにも過酷な運命が待ち構えているのです・・・・・・・。



私は、ナチスに興味があり、
ナチスを描いた映画はこれまでにも何本か観てきました。


興味があるというのは、
決して肯定的な意味合いで興味を抱いているのではなく、
人類の歴史上、最も愚かな過ちの一つとして、
その実態を正確に知りたいと思っているのです。



ナチスを描いた映画で有名と言えば、
『ライフ・イズ・ビューティフル』がありますね。


『ソフィーの選択』も、あまりに過酷な物語でした。


『愛を読む人』もナチス政策による悲劇を描いた物語です。


ナチスを扱った映画は数知れずあるのですが、
一番強く印象に残っているのは、
手塚治虫の漫画『アドルフに告ぐ』です。


高校のときに読んで、
まさに衝撃を受けました。
とにかく物語の構成力がすごいんです。
張り巡らされた伏線が回収されていく様が、
「たかだかマンガ」という批判を
華麗に一掃する、そんな印象を受けました。


『縞模様のパジャマの少年』同様に、
ドイツ人の少年とユダヤ人の少年との友情
描かれます。
二人は共に、アドルフという名を持っているのですが、
ドイツ人のアドルフはヒトラー・ユーゲントに入り、
ユダヤ人を迫害する側に回ります。
一方、ユダヤ人の少年は、
日本で暮らしているのですが、
ヒットラー政権を転覆させ得るある重大な秘密を知ってしまうのです。


『アドルフに告ぐ』はぜひ読んで欲しい漫画です。
・・・・・・と、ちょっと話が逸れてしまいましたね。
『縞模様のパジャマの少年』に話を戻しましょう。



ナチスを描いた映画ですから、
当然のことながらハッピーエンドになるわけはありません。
それは観る前から分かっていました。
が、
予想を遥かに超えた悲惨な結末が待っていて、
観終わった後は茫然としてしまいました。



8歳の少年には、
なぜナチスが虐殺されなければいけないのか、
目の前にいる友だちが自分と何が違うのか、
そんなの分かるはずありません。


そもそも、ナチスの反ユダヤ政策自体、
論理的に考えて筋の通るものではありません。
当時は論理的に整合性があると考えられて、
多くのドイツ国民が同調したわけですが、
特定の人種や民族をまとめて「劣等」と見なし、
根絶やしにするなんて、
客観的に考えてあまりに暴力的な論理です。


が、今の時代にナチスのことを批判するのは
言ってみれば当然だし、容易なことであって、
問題は、
第二次世界大戦下の世界情勢において、
多くの人がヒトラーに心酔したという異常な集団心理を、
冷静に分析し、
同じ過ちを繰り返さないことだと思います。


ヒトラーは二度と現れないけれど、
ヒトラーと同じような独裁者は
人類の歴史上繰り返し現れる

そう思うのです。



『縞模様のパジャマの少年』のあまりに悲惨な結末は、
人類が再び同じ過ちを犯さないための教訓です。
愚行には必ず重すぎる代償が伴う
そう私たちに教えているのだと思います。



『縞模様のパジャマの少年』では、
ブルーノの母親は
ユダヤ人に対する迫害に否定的な考え
持っています。
当時のドイツ国民全員が、
ユダヤ人の迫害を完全なる善と思っていたわけでは
ないのですよね。


今気になるのは、
ヒトラー政権が終わりを告げ、
ユダヤ人への迫害も終わったとき、
それまでユダヤ人を迫害していたドイツ人は
どのように感じていたのか、です。
ヒトラー政権の終焉は、
あまりに大きなパラダイムチェンジだったと思うのですが、
当時のドイツ人は時代の変化を
どう受けとめたのでしょうね。


ちなみに、『アドルフを告ぐ』のドイツ人・アドルフは、
ユダヤ人に対する偏見を捨てきれず、
ユダヤ人・アドルフと最後の戦いを迎えることになります。
おっと、
ネタバレはやめておこう!



というわけで、
映画の内容が内容なので、
非常に真面目なレビューになってしまいました。
次はもっとアホな映画観るぞ〜!



読んでくれてありがとう!
みなさまの見えない応援、見えているよ・・・・(妄想)。
ほんでは、
メルシーボークー!

↓『縞模様のパジャマの少年』を今すぐ観るならこちら!



縞模様のパジャマの少年 [DVD]

縞模様のパジャマの少年 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD



縞模様のパジャマの少年 [Blu-ray]

縞模様のパジャマの少年 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray






アドルフに告ぐ 1 (文春文庫 て 9-1)

アドルフに告ぐ 1 (文春文庫 て 9-1)

  • 作者: 手塚 治虫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/01/09
  • メディア: 文庫



アドルフに告ぐ 上巻 (SAN-EI MOOK 黒の手塚治虫シリーズ)

アドルフに告ぐ 上巻 (SAN-EI MOOK 黒の手塚治虫シリーズ)

  • 作者: 手塚 治虫
  • 出版社/メーカー: 三栄書房
  • 発売日: 2014/08/01
  • メディア: ムック



nice!(3) 
共通テーマ:映画

nice! 3

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。