レベル16 服従の少女たち【謎の施設に監禁され、教育される少女たち。異様な空間だけれど、現実世界のメタファーでもある】 [好き放題の映画レビュー]

みなさん、こんにちは!

コロナで失職して途方に暮れていましたが、
このたび、無事に失業保険を受給できることになりました!
よかったああああああああああああああああああ!

ご機嫌でハロワから帰宅して、
お昼寝の前に映画を観ることにしました。
いいご身分でしょ?
もうね、コロナのせいで仕事なんて全然ないから、
慌てないことにしました。

さて、
『レベル16 服従の少女たち』という映画を観ました!



孤児院で暮らす少女たち。
少女たちは、養子縁組が成立する日を夢見て、
孤児院内の学校で学んでいます。

が、そこは孤児院と言うよりは
刑務所か精神病院の閉鎖病棟のよう
無機質で、食事をするためのテーブルと椅子すらなく、
少女たちは床に座って、「餌」のような食事を摂っています。

学校では「清潔」であることが何よりも重視され、
顔を洗うのが少し遅れただけで懲罰の対象となります。
学課を終えるごとにレベルが上がっていき、
ついに最終レベルであるレベル16に到達しました。
孤児院で暮らす少女の一人であるヴィヴィアンは、
同室の少女から、ビタミン剤を飲まないように言われます。
ビタミン剤を飲まなかった夜、ヴィヴィアンはなぜか眠れませんでした。
そこに守衛が部屋に入ってきて、
眠っているふりをしているヴィヴィアンを抱えて部屋から連れ出しました。
もう一人の少女と一緒にある部屋に寝かされたヴィヴィアンは、
恐ろしい事実を知ってしまいます・・・・・・・。


といった感じで物語は始まります。
アマプラで配信されていたので、なんとなく観てみました。
たまには、前情報なしで映画を観るのもいいかなと。



結論としては、なかなか面白かったです。
こういう、謎の施設に監禁されている系の映画って、
クソみたいなオチのことも多いような気もするのですが、
この映画はそうでもなかったです。
というか、オチそれ自体がそれほど重要ではない映画かな。

なぜ少女たちが施設に監禁されているのか、
施設の目的は何なのか、最後の最後まで分かりません。
その「謎」の解明を追うことで、
物語を楽しめるのも、この映画の魅力の一つだと思います。

ですが、
私がこの映画を面白いと思ったのは、
少女たちを監禁している施設は、結局実社会と変わらないのではないか、
そう思ったからです。
この施設を運営している「先生」は、
少女たちに従順さ、素直さを美徳して教えこんでいます。
「怒り」を持つことは少女として「悪徳」であり、下品な行為とされます。
そして、その一方で、少女たちは「文字」を教えられていません。
彼女たちは文盲なのです。

反抗的な態度をとる者、規律を乱す者は、
内部から密告者が出るように少女たちは教育されています。
理不尽なルールを守るべき理由は、
それが女性としての「美徳」だから。
あるいは、「学校」は「家族」であり、
「家族」としての連帯がそこにはあり、
「家族」に対しての「恩」がそこにはあるからなのです。

これまで女性たちが実社会で受けてきた待遇と何が違うでしょう。
女性は長い間、言葉を奪われ、
「女性らしさ」を理由に
様々な行動を規制されてきました。
「家族」のためだからと、主体性を持つことを否定され、
「怒り」を封じ込められ、
仮に「怒り」を持つとしても、
それは女性を被差別的な立場に追い込んでいる制度そのものに対してではなく、
同じ女性に対して怒りを抱くような「内ゲバ」が
制度そのものに内包されている、言うなれば地獄。
差別されている女性が、さらに女性を差別するという二重の差別構造です。


『レベル16 服従の少女たち』という映画は、
架空の施設を描いているように見えて、
実は実社会において女性が置かれている立場、
女性を支配してきた差別的な社会構造を描いている、
私はそう思いました。

ネタバレはしたくないのでぼんやりと書きますが、
そもそも彼女たちが監禁されている理由そのものも、
「女性らしさ」に起因しているんですよね。

私は、「女性らしさ」のすべてが強要されたものだとは思っていません。
たとえば、
メイクをすることを女性は強要されている、
だから、女性全員がメイクをすることを拒絶するノーメイクデーを作ろう、
なんて主張は大嫌いです。
だって、私はメイクするのが大好きだから。
メイクをすることを自分で選んでいるから。

いやいやいや、自分で選んでいるように見えて
実は気づかないうちに強制されているんだよ!!!
っていうツッコミもあるかもしれませんが、
そのツッコミ自体、
女性は自分で考える頭もないという差別的な先入観に基づいていますよね。

今の女性はそこまでバカじゃないと思います。
問題は、
女性でも男性でも、それ以外の性の人にでも、
何でもその人の自由に合わせて選べる選択肢が与えられている環境を作り上げることですよね。

メイクをして仕事に行きたい人はしていけばいいし、
したくない人はしないで行ってもいい、
どちらを選んでも批判されないような、
どちらか一方に全員習え!ってなるような
同調圧力が発生しないような世の中を作り上げることが
誰にとっても暮らしやすい社会なんじゃないのかな。

とまあ、
月曜の昼間からいろいろ考えた次第です。

ほんでは、また!



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ギルバート・グレイプ【ジョニー・デップ目的で観たら、ディカプリオに釘付けになったの巻】 [好き放題の映画レビュー]

こんにちは!

今さらながら、
『ギルバート・グレイプ』を観ました。
1993年のアメリカ映画ですから、
30年前の映画ですね。



何で今回『ギルバート・グレイプ』を観たかというと、
私、ジョニー・デップが嫌いなんです。
いや、『シザーハンズ』のころは好きでした。



『スリーピー・ホロウ』『スウィーニー・トッド』も好きでした。
(おまえ、ティム・バートン好きなだけやないか!)



でも、
『パイレーツ・オブ・カリビアン』以降のジョニー・デップが本当に嫌いで、
しかも、
プライベートでも若い女優と結婚して、
しかもなんか騙されて最後捨てられたという印象。
(あくまでも印象なので間違ってたらごめんなさい)

まあ、プライベートはともかくも、
『パイレーツ・オブ・カリビアン』のあの演技がすごく嫌いなんですよね。
わざとらしい感じがして。
これはもう好き嫌いの問題なので、
あの映画がとても人気があることは重々承知です。
そもそも私はディズニー映画の大半が嫌いなので、
ちょっと変わり者なんだと思ってそっとしておいてください。

じゃあ、なんで今回わざわざジョニー・デップの映画を観たのかというと、
現在公開中の『グッバイ、リチャード!』がとてもいいという噂を聞いたんです。



末期がんに冒された大学教授が自暴自棄になる物語。
海賊役じゃない!
先に観た友だちも勧めてくる!

そこで、
いまいちどジョニー・デップという俳優について考え直すべく、
今まで最後まできちんと観たことのなかった
名作『ギルバート・グレイプ』を改めて最初から観直してみたわけです。

そうしましたら・・・・・・

ディカプリオすげえええええええ!!!!!

この作品でディカプリオはアカデミー賞助演男優賞にノミネートされましたが、
そりゃもう納得ですよ。
知的障害のある少年を演じていますが、
なんだこのリアル。
もちろん、映画の中のリアルなので現実世界のリアルとはまたちょっと違いますが、
映画を観ている側からすると、
ものすごく自然に、そして生き生きと知的障害のある少年を演じています。
「生き生きと知的障害のある少年」という表現はおかしいかもしれませんが、
なんというか、悲壮感を感じないんですよね。
お涙頂戴の演技になっていない
障害があることがアーニーにとっての当たり前だし、人生なわけで、
その人生をアーニーはアーニーで、
必死に生き、楽しみ、そして色々考えているわけです。
障害がある人を、健常者である私たちは安易に「かわいそう」と思いがちだけれど、
アーニー自身は「かわいそう」な人生を送っていない、
仮に「かわいそう」と思うにしても、
そう思うのは他人の勝手な判断であって、
アーニー自身が「かわいそう」なわけではないのです。

私はもともとディカプリオ大好きなんですけれど、 改めて大好きになりました!!!!

あ、ジョニー・デップの話でしたね、そうでしたね。
んー。
まあ、とにかく美しかったです。
間違いなく正統派美青年です。

ジョニー・デップが演じている主人公のギルバート・グレイプは、
狭い田舎町に閉じ込められ、鬱屈とした日々を送っています。
父親は自殺し、
母親はそのショックで引きこもりの過食症となり、
推定150キロ強の巨漢となってしまいました。

弟のアーニーには障害があるので
とにかく手が掛かります。
ちょっと目を離すと高いところに登ってしまいます。
ギルバートが働いているのは寂れた小さな商店ですが、
アーニーを連れて仕事することに理解があるため、
他の仕事を見つけたくても見つけられない状況です。

つまり、
ギルバートは家族のために生きており、
彼には自由な選択権などないのです。
彼の住んでいるオハイオ州の小さな街は、
障害のある弟を持つ彼を決して差別したり、疎外したりはしないけれど、
それは同時に、彼が街から離れる理由を奪ってもいるのです。

ギルバートは、
トレーラーで移動しながら生活している女の子と知り合ったことで、
少しずつ変化していきますが、
ジョニー・デップがこの難しい役を十二分に演じ切れていたかというと、
ディカプリオはアカデミー賞にノミネートされたけれど、
ジョニー・デップはされなかった、
そこにその答えは表れているのだと思います。

『シザー・ハンズ』では哀愁漂う演技をしていたような記憶があるので、
役によって合う、合わないのがあるのかもしれませんね。

あ、ちなみに『ギルバート・グレイプ』には、
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに出ていた俳優さんが2人出ています!
マーティー少年のお父さんを演じていたクリスピン・グローヴァーと、
ドクと結婚することになるクララを演じていた、
メアリー・スティーンバージェンです。
BTTF好きは「おっ!?」と思いますよ、きっと!

というわけで、
『グッバイ、リチャード!』を観に行くかはまだ決めていません。
というか、暑すぎて外出られないんですけど。
なんとかしてくれ、この暑さ。

ほんでは、また!


ギルバート・グレイプ [Blu-ray]

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  • 発売日: 2020/08/30
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ギルバート・グレイプ (映画で覚える英会話アルク・シネマ・シナリオシリーズ)

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  • 発売日: 2020/08/30
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Viva! 公務員【イタリア初のコメディ。意地でも公務員やめたくない vs 絶対早期退職させてやる ファイッ】 [好き放題の映画レビュー]

みなさん、こんにちは!

Twitterで回ってきた映画が面白そうだったので、
観てみました。
『Viva! 公務員』というイタリア映画です。



子どものころからの夢を叶えて、
公務員になったケッコ
公務員の仕事は最高!
市民から賄賂(付け届け?)はもらえるし、
女からモテるし、
老後の生活も安泰。
もう絶対公務員やめられない!

と思っていたら、
行政改革で公務員の大削減が始まった。
リストラを担当している部長は、
僻地を異動先として提示し、
移動するか、上乗せした退職金をもらって今すぐ退職するかを迫り、
1000人以上の退職者を確保。
だけれど、
最後の1人、ケッコがどうしても辞めない。
ド田舎に異動させても、
窓際に追いやっても、
退職金をどんどん上乗せしても、
意地でも公務員を辞めない。

ケッコはケッコで、
妻帯者ならリストラされないと聞いて、
結婚する気もなかった彼女にプロポーズしてみたり、
公務員の職を失うまいと必死に抵抗

部長はついにケッコを北極に異動させるが、
北極でケッコの仕事のパートナーとなった女性が、
そりゃもうかわいくて、
ケッコは北極ライフを楽しみ始めます。
ケッコが恋に奮闘する一方で、
部長はケッコを退職させるべく、
次の手段を考えていきます
・・・・・・というお話。
コメディ映画です。


まず、ケッコという男、
とにかくブサイク!
失礼かもしれませんが、あの男性はイタリアでもブサイクですよね?
38歳という設定になっていますが、
めっちゃくちゃハゲてるし、腹も出てる
イタリア人男性ならハゲててもかっこいい人多そうですけど、
ケッコはかっこよくないハゲです(断言)

おそらく、
ブサイクでモテない風貌のケッコが、
公務員であることに固執しつつ、
美女に対して恋愛模様を繰り広げるというところに、
この映画の基本的な面白さがあると思います。
違ったらごめんなさい。
イタリアではあれはイケメン枠だったらごめんなさい。
でもきっと違う。

まあ、ともかくも、
イタリアでもやっぱり公務員はおいしい職業なんですね。
ただ書類に判子を押してるだけで給料が入る仕事。
そりゃ辞められませんわ。

若い頃は、公務員になりたい気持ちが分かりませんでした。
つまらない仕事をする人生でいいのか、
そう思っていました。
でも、今なら分かります。
仕事をすべき時間には黙々と仕事をして、
労働に対する正当な対価をもらって、
そして余暇に思いっきり自分の好きなことをする。
その方がよっぽど効率がいいって、今は思っています。

好きなことを仕事にする
それに若い頃は憧れますよね。
でも、実際好きなことを仕事にできる人なんてほんの一握りだし、
仮に好きなことを仕事にしても、
十分な報酬を得られるとも限らない。
「好きだから」ってことを言い訳にして薄給に耐える、
そんな人、今の日本に山ほどいるんじゃないですか?

今の日本は、労働に対して正当な報酬がなかなか与えられていないと思っています。
だったら、できるだけ楽な仕事を選ぶのが利口な生き方でしょう。
もちろん、
日本の公務員が楽だと言っているわけではありません。
身内に公務員がいるから分かります。
でも、
同じ仕事をした場合、
公務員の方がまだきちんと給料が支払われているのではないでしょうか。
サービス残業の可能性も少ないのではないでしょうか。
とりあえずうちの身内の場合はそうです。
民間からの転職組なので待遇の差は歴然としていました。
しかも、給料は年功序列で確実に上がっていきます。
だったら公務員の方がいいって、今の私は思います。
ああ、でも、学校の先生はまた別です。
公務員だけれども、本当に激務。
学校の先生の労働環境はすぐにでも改善すべきだし、
給料も倍にしてあげてください。

とまあ、ケッコが公務員にしがみつく気持ちがよく分かりました。
夢がない?
そうですね、夢を見るには金が要るし、
今の世の中は、夢を見るのもなかなか難しい
そう思います。

では、この辺で!


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ベイビー・ドライバー【車好き&音楽好きに絶対観てほしい。最初の10分観たら釘付けになること間違いなし】 [好き放題の映画レビュー]

こんにちは!

毎日ブログを更新するという誓いを
たった一日で破りました!
すんませんでしたー!

さて、
今日は大好きな映画を紹介したいと思います。
『ベイビー・ドライバー』です。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』を撮った、
エドガー・ライト監督の作品です。



ああああ、
もう好きすぎて、何度観たか分かりません。

主人公は「ベイビー」と名乗る青年。
彼は天才的なドライブテクニックを持っています。
顔に傷があり、いつもイヤフォンで音楽を聴いている彼は、
強盗が逃走する際のドライバーとして金を稼いでいます。
つまりまあ、犯罪の片棒を担いで暮らしているわけです。

顔の傷と、いつも音楽を聴いている理由は、
幼いころに遭った交通事故に関係しています。
事故の後遺症で耳鳴りが止まない彼は、
音楽を聴くことでその耳鳴りをごまかしているのです。

交通事故で両親を失ったベイビーは、
養父に引き取られましたが、
借金の返済のために強盗団のドライバーとして働いてます。
そんな彼がダイナーでデボラという女の子と出会い、恋に落ちます。

借金を返済し終えて、足を洗ったベイビーは、
デボラと共に平穏な日々を送ろうとしていたのですが、
再び犯罪に巻き込まれていく・・・・・・というお話です。

まず、声を大にして言いたい。
ベイビーがあまりにも魅力的すぎる!


ベイビー好きだあああああああ!


映画を面白くする要素って、やっぱりキャラクターですよね。
物語それ自体の筋も大切ですが、
たとえ筋が平凡であってもキャラクターが魅力的だったら、
それなりに成立してしまうものです。


で、ベイビーはとにかく魅力的。
大好き!
まず、そのドライブテクニック。
私はもともと車が好きなのですが、
特に車が好きじゃなくてもしびれると思います。
そう、「しびれる」という表現がビッタンコ!
心臓が苦しくなるレベルでかっこいい。


そして、その頭脳と性格
ほとんど人に心を許さず、
強盗のミーティングに参加していても、
仏頂面で座っているだけ。
でも、「おまえ、ちゃんと聞いてたんか、ああん?」とすごまれると、
スラスラスラと計画を完璧に復唱してしまう。
やだもう、好き!
かっこい!!!!


人に心を許さないと言いましたが、
養父は別。
ベイビーの養父は目が不自由な黒人男性なのですが、
家にいるときにベイビーは、
優しくておちゃめで、ほんまかわいい!
端的に言うと、
抱いてほしい!!!!


そんなベイビーを演じているのは、
アンセル・エルゴートです。
日本ではあまり名前を知られていませんが、
いやもう、やべえです。
めっちゃかっこいいです。
アンセル・エルゴートの顔だけ見て、
え、そんなにかっこいいとは思わないんですけどって思う人は、
彼が演じているところを一度観てほしい。
印象が絶対に変わります。

アンセル・エルゴートが出演している別の作品として、
『きっと、星のせいじゃない。』があります。

きっと、星のせいじゃない。(字幕版)

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『きっと、星のせいじゃない。』は、いわゆる【難病もの】で、
【難病もの】が苦手な私は、
アンセル・エルゴートが出ていなければ観なかったと思います。
主人公ががん患者という設定に、
最初は斜に構えて観ていたのですが、
やっぱり、アンセル・エルゴートええわああああ!


主人公はアンセル・エルゴートではありません。
アンセル・エルゴートは、末期がんの主人公が出会う、
かつて骨肉腫で片足を切断した青年として登場します。
最初は、そんなに魅力を感じないんですよ。


でも、物語が進むにつれて、どんどん魅力的に感じられるんです。
主人公の女の子が彼に惹かれていくように、
映画を観ている私も、どんどん彼に惹かれていくんです!
役者として素晴らしいと思いませんか?
素晴らしい役者は、演じているときこそ輝くんです。
かっこいいんです!
だから、
アンセル・エルゴートの政治画像を見て
「別にかっこよくないやん」
って思っても構いません。
とにかく、彼が演じているところを観てください。


『ベイビー・ドライバー』に話を戻しますが、
デボラを演じているのは、
リリー・ジェームズ。
フランキーじゃないです。
フランキーはおっさんだけど、
リリー・ジェームズはめちゃくちゃかわいいです。
ディズニーの実写版『シンデレラ』を演じたと言うと
分かる人多いのかな。
私はディズニー映画が嫌いなので観ていません。
私のお気に入りは、『イエスタデイ』

イエスタデイ (字幕版)

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そして、ケヴィン・スペイシーも出ています。
ケヴィン・スペイシーは、セクハラ問題で干されているようですが、
その後どうなったのかな。
大好きな俳優なんですけどね。


ともかくも、
『ベイビー・ドライバー』、
まずはだまされたと思って冒頭の10分だけでいいから観てください
とにかくやべえから。
引き込まれるから。
クソかっこいいから。
私は、録画してある『ベイビー・ドライバー』、
最初の10分だけ観ることあります。
何回も観てるのに、毎回震えます。
かっこよすぎて、震えます。


車と音楽が好きな人なら、絶対にはまる映画です。
いや、車か音楽、どっちかだけでも好きなら観てみてください。
最の高ですから!


音楽が気に入ったら、サントラを買うのもオススメ。
最近はみんなサブスク使っててCDなんて買わないのかな。
私はいまだにアルバム単位で買うのが好きなんですよね。
デジタル音源で購入することもあるけれど、
基本はアルバム単位で聴きたい派です。

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では、このへんで。
また明日!かな。
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バグダッド・カフェ(ニュー・ディレクターズ・カット版) [好き放題の映画レビュー]

お久しぶりです。
りんごっちです。

いつぶり・・・・・・?
まあ人生色々あって、コロナで失職したりもして、
そんなこんなで生きています。

大好きな香港のことも、
本当は語らなければいけないですよね。
でも、簡単に語ることでもないので、
今はやめておきます。

とりあえず時間ができたので、
毎日映画を観て、
毎日必ずブログに書こうかと考えています。

で、今日は『バグダッド・カフェ』
1987年製作の映画で、日本公開は1989年だということなので、
もう30年以上前の作品なんですね。
私も、20年前に観たっきりでした。



ラスベガスを目指して車を走らせていたドイツ人夫婦
二人は、荒れ果てた砂漠地帯には不似合いなスーツ姿です。
何が原因か大げんかとなり、
夫はその場に妻を残したまま、車を走らせていってしまいます。
下手したら妻、死ぬぞ・・・・・・?

その場に取り残されたのが、
ドイツ人のヤスミン・ムンシュテットナー。
非常に豊満(つまりデブ)な女性で、
鳥の羽根飾りのついた緑色の帽子をかぶり、
上下しっかりとスーツを着ているので、
そりゃもう汗だくです。

夫に放置されてしまったので、
暑い中を歩いてやっとたどり着いたのがバグダッド・カフェ。
カフェとモーテル、ガソリンスタンドを経営している、
アメリカ映画でよく見るあの手のタイプの店です。

バグダッド・カフェを切り盛りしているのは、
女主人のブレンダ
黒人女性です。
おそらくインディアン系と思われる従業員・カヘンガはいるものの、
夫のサル(猿ではない)は役立たずで、
コーヒーマシン壊れたから買ってこいって言ってるのに、
出掛けるたびに忘れて帰ってくる唐変木です。

ブレンダの息子・サロモは、
かつて結婚していたことがあるものの、
嫁は赤ん坊を置いて出て行ってしまいました。
赤ん坊はギャンギャン泣いているのに、
サロモの夢はピアニストになること。
ギャンギャン泣いてる横で延々とピアノを練習。
うるせえ、あああああああ、うるせえ!
ブレンダのイライラは募ります。

ブレンダには娘もいるのですが、
娘のフィリスは発情期、いや、思春期真っ盛りで、
男の尻を追い回すことしか考えていません。
うぜえ、ああああああああああ、うぜえええええ!
ブレンダの怒りは頂点に達しようとしています。

そんなところに
謎の外国人・ヤスミンが現れて部屋を貸してくれなんていうもんだから、
ハアアアアアア? なんじゃこの外国人は!
怪しいことこの上ないじゃろがああああああい!

と、
もう不信感丸出しで接客します。
カスタマーファーストなんて概念、皆無です。

ところが、
このヤスミンがバグダッド・カフェに関わる人と交流を重ねることによって、
自然と人々の心が和らいでいき、
それまで閑古鳥が鳴いていたバグダッド・カフェに
多くの客が集うようになる・・・・・・・・
それがこの映画の大まかなストーリーです。



20年ぶりに観たので、全くストーリーは覚えていませんでした。
さらに、20年前にどういう感想を持ったのかも、
全く覚えていません。
ですので、初見のつもりで感想を書いていきます。

まず面白いなと思ったのは、
この映画、アメリカ映画じゃないんですよね。
西ドイツで作られた映画なんです。
つまり、そういう点ではヤスミン側の視点で作られた作品であるということ。
言い換えれば、
ドイツ側から観たアメリカを描いている作品なんです。

当時のことを詳しく調べずに書きますが、
1987年はまだドイツは東西に分裂していました。
西ドイツ、東ドイツという言葉を知らない若い方も多いでしょうが、
冷戦によってドイツは東西に分裂していたんですね。
アメリカを中心とした資本主義陣営側についていたのが西ドイツで、
ソ連を中心とした共産主義陣営側が東ドイツでした。

私はドイツに2回行ったことがあって、
もちろん、ベルリンの壁が崩壊したあとではあるんですが、
うっかり間違えて旧東ドイツ側の駅で降りてしまったとき、
旧西ドイツとは空気感が違うことに驚きました。
あ、やばい、って思ったんですね。
もう20年も前のことなので、
今のドイツは状況もだいぶ異なっているでしょうが、
旧東ドイツ側は発展が遅れているというのを
肌で感じた瞬間でした。

東西に分かれていた時代のドイツを舞台にしていると言えば、
萩尾望都の『ポーの一族』の「小鳥の巣」があります。


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髪を切らずにいる生徒を先生が注意したら、
東西統一の願掛けをしているから切れない、
そう答えるシーンがあります。
キリアンという名の少年は、
東ドイツから西ドイツに逃げてきて、
東側に残した家族がどうなっているのか分からないでいます。

東側は市民に対する締め付けも強く、
生活も決して楽ではなかったようですが、
西側に暮らす人たちも決して安穏としていたわけではない、
「小鳥の巣」を読むとそれが分かります。


僕たちは希望という名の列車に乗った(字幕版)

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  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: Prime Video

東ドイツの様子が分かる映画です。おすすめ。

当時のドイツがそんな状況に置かれていたことを考えると、
ヤスミン夫妻にとって、
アメリカはある意味、
【希望の地】として位置付けられていた可能性も
十分に考えられるでしょう。
ところが、そのゴール、
桃源郷の象徴であるディズニーランド、
あるいはラスベガスに到着することなく、
ヤスミンは夫に置き去りにされてしまうのです。

一方、バグダッド・カフェの女主人ブレンダは、
あまりに役立たずの夫を追い出してしまいます
元々役立たずなので、
いなくなっても仕事にたいした支障はないのですが、
だからといってブレンダが傷付いていないはずはありません。

そんなヤスミンとブレンダが出会うことにより、
物語が動き出します。

ポイントは、ヤスミンもブレンダも、
どちらもアメリカではマージナルな存在であるということ。
ヤスミンは外国人だし、
ブレンダは黒人。
どちらも言ってみれば【余計者】なんです。

しかも、ヤスミンはデブ。
めちゃくちゃデブ
言うまでもなく、
アメリカ文化が作り出す理想の女性像は、
基本的にスリムな女性です。
スリムかつグラマー。
言っとくけど、デブはグラマーとは違う。
そういう点でも、ヤスミンはマージナルな存在なわけです。

しかも、
ヤスミンの夫、最初はヤスミンを探していたものの、
あっという間に探すのやめてますよね?
夫はヤスミンよりも先にバグダッド・カフェにやってきていて、
「妻は来てないかね、デブ、デブの女や」と、
片言の英語で尋ねてはいるのですが、
コーヒーを飲んだら満足して帰っちゃってるんです。
ここがとても面白いし、象徴的なんですが、
夫はバグダッド・カフェでコーヒーを注文します。
でも、コーヒーマシンは壊れているから出てきません。
そこに、サルが帰ってきて、
道に放置されていたのを拾ってきた魔法瓶に入っていたコーヒーを
夫に出します。
飲んだ夫は「おいしい!」と大満足。

でもね、この魔法瓶、
そもそも、ヤスミン夫妻が持っていたものなんです。
つまり、中に入っていたコーヒーはヤスミンが作った可能性が高い
ということなんです。
妻を探していたはずの夫が、
コーヒーを飲んだら満足して妻を探すの忘れちゃってて、
しかも、そのコーヒーが妻が作ったものだと気づかない、
これ、ダメ夫の典型じゃないですか。
言い換えれば、
夫が求めていたのはヤスミンが作るコーヒー、
あるいはコーヒーを作ることのできる妻であって、
ヤスミンそれ自身には対して興味がなかった
ということなのです。

ああ、夫婦あるある・・・・・・
妻が夫に抱く不満あるある・・・・・・!

しかし、ヤスミンはバグダッド・カフェでどんどん変化していきます。
すごいなあと思うのは、
最初ヤスミンが出てきたとき、
正直、不快なレベルで醜いんですね。
絵面汚ねえ
そう思うレベルです。

なのに、どんどんヤスミンは魅力的になっていきます。
女性としての輝きを取り戻していくんですね。

詳しくは語られませんが、
どうやらヤスミンは子どもが産めない体のようです。
このことが夫の関係に何か影響を与えていたかは分かりませんが、
30年前の作品であることを考えると、
「母親になれないこと」をハンディキャップとして
捉える女性が多かったであろうこと、
社会的にそういう風潮であったことが容易に推測できます。
悪い表現ですが、
女として、妻として半人前と見なされていたとも言えるでしょう。

ですが、バグダッド・カフェに来たヤスミンは、
そういう妻や母親といった役割からは解放されるのです。
ヤスミンの存在によってブレンダも変化を遂げていきますが、
ブレンダの方は、夫と仲直りすることになります。
夫を捨ててアメリカに残ることを決めたヤスミン、
夫と共に生きていくことを決めたブレンダ、
どちらも、自分でその生き方を決めています。
「母」にしろ「妻」にしろ、
その役割が固定的なもので、
なおかつその固定的な役割を強制されるから、
女は生きづらいんですよね。
ヤスミンもブレンダも、
自分で「母」の形、「妻」の形を決め直して、
そしてその役割を引き受ける決意をしたので、
前よりも生きやすくなったはずです。

最後に。
面白いなあと思ったのが、
バグダッド・カフェに最初に現れたときのヤスミン、
ちょっとメアリー・ポピンズみたいなファッションですよね。
・・・・・と思ったら、すでに指摘してる人いましたね。
メアリー・ポピンズが奇跡を運んできたように、
ヤスミンもまたバグダッド・カフェに奇跡を運んできたのかな、
とも読めますが、
ヤスミンは単にきっかけを与えただけ
ブレンダも、その他のバグダッド・カフェに関わる人たちも、
すべて自分で選んで決めて、自ら動いて現実を変えた、
そう思います。

メアリー・ポピンズの魔法がなくたって人は変われる
そう思った方が人生楽しいですもんね。
そして、
ディズニーランドの一歩手前に、
私たちが素手でつかむことのできる、
等身大のパラダイスがあるんですよ。

では、今日はこの辺で。
明日はお出かけなので映画は観ないです〜!
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