ファミリー・ツリー [好き放題の映画レビュー]

みなさん、こんにちは!
腐りかけのりんごです!



いやあ、寒いですねえ。
4月も半ばだってのに寒い!
ちっともコートがしまえません。
黒い分厚いタイツを履くのも季節感無視してる気がするし、
だからといって薄いタイツじゃ寒いし、
どうしろって言うんでしょう!!



ところで、
年を取ると寒さが身にしみるって言うじゃないですか、
若いときは寒いは【寒い】でしかなかったんですが、
段々寒いが【痛い】になってきて、
最近じゃあもう、寒い=【気持ち悪い】ですわ!
我慢するとかしないとかじゃなく、
具合悪くなっちゃうんですよねえ〜。
うけるー! アハハハハ〜!



さて、映画の話をしようじゃないか。
『ファミリー・ツリー』を観ました!





ずっと観たかった映画です。
偶然にも、
先日ご紹介した『サイドウェイ』と同じ
アレクサンダー・ペイン監督作品で、
こちらもまた、
アカデミー賞脚色賞を受賞しています。


舞台はハワイ
カメハメハ大王の末裔に当たるマットは、
先祖から受け継がれた広大な土地を所有しています。
が、
法律により所有し続けるのは難しいので、
その広大な土地を売却するべく、
親族と協議を続けています。


その一方で、マットの妻・エリザベスが事故により
意識不明に陥ります。
意識を回復する見込みはないため、
生前の妻の意思に尊重し、
生命維持装置を外すことにしますが、
エリザベスが生前不倫をしていたことが明らかになります。


それまで仕事一筋に生きてきたマットは、
二人の娘とどう接していいのか分かりません。
特に長女のアレクサンドラは、
母親の不倫現場を目撃した経験があるため、
死を目前にした母親に複雑な感情を抱いています。
娘たちとの歪で不器用な生活の中、
マットは妻の不倫相手に直接会いに行くことにします・・・・・・。



『ファミリー・ツリー』というタイトルから、
何というか、
何代にもわたる一族の大河ドラマを想像していたのですが、
そんな重苦しい映画ではなく、
コミカルな要素も多分に含む現代劇でした。
ハワイが舞台という段階で、
非常にカラッとした空気が流れているのが
ご想像いただけるかと思います。



私もハワイは2回だか3回だか行ったことがあるのですが、
あくまでも観光地として訪れただけで、
そこに代々暮らしている人の生活など、
考えてみたこともありませんでした。


物語の中で、
マットが売却しようとしている広大な土地には、
自然そのものの豊かさが残っています。
売却することで、
何とマイクには数億の金が入ることになるわけですが、
売却先として浮上しているのはリゾート開発会社で、
売却後は自然が破壊されることはまず間違いないわけです。


マットは妻の不倫、そして妻の死という
あまりにも予想外すぎるできごとに遭遇し、
改めて自分のルーツというものを思いやることになります。
仕事に夢中で、
自分の娘とすらろくに口も利かなかった男が、
娘と旅行をし、娘とともに行動し、
なぜ自分の知らないところで妻が別の男と会っていたのか、
その理由を考えるようになるのです。


家族との関係、自らのレーゾンデートルを考えるなかで、
マットは自分という存在を作り上げているもの、
自分という存在の根幹には
ハワイの豊かな自然、
あるいはハワイに生きた先祖の存在があることに気付きます。
この感覚は、
由緒ある家柄なんかで育ったわけではない私には、
ちょっと分かりかねるものではあります。


でも、なんといいますか、
長い歴史の流れの中に自らを置いてみると、
今を生きている自分の悩みが、
非常にちっぽけなものに思えるという感覚は分かります。
妻を失い、
しかも妻が自分を裏切っていたという事実を知ったマットは、
自分という存在を大きな時の流れの中に解き放つことにより、
これから先の人生を生きていく希望を
辛うじてみつけたのかもしれません。



このあたり、ちょっとテーマが捉えにくく、
妻の不倫・死と先祖代々の土地の売却とを、
もう少し明確に関連づけて描くこともできたのではないかとは
思います。
ですが、
私はこの『ファミリー・ツリー』という映画が大好きです


ジョージ・クルーニーのちょっと間の抜けた感じの演技、
(ジョージ・クルーニーって面白いですよね!)
緩やかに流れるハワイアンミュージックは、
ともすれば難解になりがちなテーマを
ゆる〜く仕上げています。


さらに、
この映画の味付けを決定づけているのが、
アレクサンドラの友人・シドの存在です。
いやもう、
このシドという人物の造型によって、
この映画は成功していると言っても過言ではありません。
最初登場したときには
だらしない今どきの若者なんですけれど、
次第に愛おしく思えてくるんです。
これは実際に観てみて下さい。
いやもう、シド大好き!


マットもまた、
最初はシドを不愉快に思っていたのですが、
次第にシドに心を許していきます。
もしかしたら、
シドもマットのファミリー・ツリーに
名を連ねることになるんじゃないかとか、
そんな空想すらしてしまいます。


ファミリー・ツリーは血縁関係によっても
作り上げられるけれども、
赤の他人を家族として招き入れることによっても
さらに拡大していくんですよね。
マットが自らのルーツを確認する行為というのは、
同時に特に血縁関係にあるわけでもない他者との
関係を改めて見直すきっかけになるのです。



・・・・・・と、ここまで【家系図】という意味で
「ファミリー・ツリー」という語を用いてきましたが、
実はこの映画の原題は『The Descendants』なんです。
直訳すると『子孫』ですね。
『ファミリー・ツリー』という邦題は悪くないとは思いますが、
『The Descendants』の方がより歴史や時の流れを
思わせるタイトルになっていると思います。



最後に、
マットの妻の不倫相手を演じているのが、
マシュー・リラードなんです。
マシュー・リラードと聞いてもピンと来ない方が
多いかと思います。
あいつですよ、あいつ!
『スクリーム』のスチュワートです。


ビリーに刺されて、
「痛いよ、血がこんなに出ちゃったよ〜」
とか言って、
気絶しそうになっていたアホの子です。
懐かしい。



では、ここらで失礼したいと思います。
ちょっと更新溜まっちゃってるので、
気合い入れて頑張りますね!
また遊びに来て下さい。
いっつもいっつも、
メルシーボークー!


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