黄色い星の子どもたち [好き放題の映画レビュー]

みなさん、こんにちは!
腐りかけのりんごおばちゃんです!


さて、早速ですが、
今日は苦言を呈したいと思います。


現在公開中の、
『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』に関してです。
ジョニー・デップ主演のこの映画、
ジョニー・デップがヒゲを蓄えた男性を演じているわけですが、
Mortdecai Character Poster (1)-2.jpg
この映画の宣伝などを見ると、
このヒゲのことを【ちょびヒゲ】と言ってるんですよね。



違うでしょうがああああああああああああああ!



【ちょびヒゲ】とは広辞苑によれば、
ちょっぴり鼻の下にはやしたひげ

です。


ちょっぴり、ですよ!


ちょびヒゲの代表格と言えば、
何と言ってもチャップリンですよね。
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これが、【ちょびヒゲ】なわけです。
じゃあ、チャーリー・モルデカイのヒゲは何かというと、
カイゼル髯です。
【カイゼル】とは、ドイツ語で【皇帝】という意味です。
ドイツのヴィルヘルム2世のようなヒゲのことを、
【カイゼル髯】というんです。
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日本でもかつては流行りました。
軍人がよくやっていたように思います。
Gaishi_Nagaoka.jpg
これはどう考えてもやりすぎです。



というわけで、
チャーリー・モルデカイのアレはちょびヒゲじゃない!
と言いたいわけです。


【ちょびヒゲ】ということばの響きを採用したかったんでしょうが、
ことばは正しく使うべきです!
頼みますよ!



ちなみに、
うちの相方は
チャーリー・モノデカイ
と言って、嬉しそうに笑っていましたが、
これはもう、
こんな大人になっちゃいけないっていう
見本のようなものですからね!
絶対真似しちゃダメですよ!
頼みますよ!



さて、今日は、
『黄色い星の子どもたち』のご紹介です!



以前、『サラの鍵』を見たことで、
フランスでもユダヤ人の強制収容が行われていたことを知りました。
【ヴェルディブ事件】です。


もうちょっとこの【ヴェルディブ事件】について
詳しく知りたいと思ったので、
この『黄色い星の子どもたち』を観ることにしました。



パリで家族5人慎ましくも幸せに暮らす少年・ジョー
ジョーの一家はユダヤ人ではありますが、
ユダヤ人ではない友人もいます。
時には差別的な対応を受けることもありますが、
地域のコミュニティに溶け込んで暮らしています。


そんな中、
パリに住むユダヤ人のいっせい検挙が行われたのです。
家族全員拘束され、
やがては強制収容所に送られていくジョーたち一家を中心に、
【ヴェルディブ事件】を丁寧に描いた作品です。



えー、この映画、
アルバトロス配給作品だったので、
ちょっとドキドキしました。
もしかしたら大ハズレ作品かもしれないと・・・・・・・。


ですが、杞憂でした!
丁寧に作られた、いい映画ですよ。
『サラの鍵』とはまた違った視点
【ヴェルディブ事件】を描いているんです。


この映画の中では、
ユダヤ人迫害に対して、
フランス国内でも反対意見が多かったこと、
迫害に対して納得していなかった非ユダヤ人が多かったことが
描かれています。


もともと、
フランス政府とナチスは、
25000人の検挙を予定していたんです。
が、
実際に検挙できたのは15000人
1万人は、非ユダヤ人であるパリの市民によって、
匿われたり、逃がされたり、
助けられていたんです。


この点は、
『サラの鍵』では描かれていなかったので、
勉強になりました。
また、
どういう経緯でユダヤ人の検挙が行われることになったのか、
フランス政府とナチスとの交渉の様子も描かれ、
また、
収容所で悲惨な暮らしを強いられるユダヤ人たちの
様子を描く合間合間に、
家族や恋人と優雅に暮らすヒトラーの姿も描いています。



非常に丁寧に歴史的事実を映像化し、
この恥ずべき過去にどう向き合うべきか
観ている一人一人に訴えかける、
そんな映画になっています。



というわけで、
なかなかオススメの映画なんですが、
一点だけ、どうにも気になる点があります。



いやね、
この映画、
エンディングロールを観ると、
最初にジャン・レノがクレジットされているんです。
日本版DVDのジャケットにも、
ジャン・レノがドーンと載っています。


ですがね、
どうにもこうにも、
ジャン・レノ、要らないんですよ・・・・・・・・('A`)



ジャン・レノが演じていたのは、
自身もユダヤ人であるため、収容の対象となった医師です。
最初にユダヤ人が収容された競技場の中では、
率先して人々の治療や診察に当たりました。



とこう書くと、
物語のキーマンになりそうな気がするでしょ?
それが、そうじゃないんだ・・・・・・・・('A`)


ジャン・レノ演じる医師は、
赤十字から派遣された看護師・アネットと一緒に医療行為に当たります。
アネットは非ユダヤ人で、
演じているのはメラニー・ロラン。
アネットはユダヤ人迫害に疑問を持ち、
強制収容所まで同行し、
特に子どもたちの面倒を見ていました。


そう、アネットの方がよっぽどキーマンだし、
アネットの方が感情移入しやすい構成になっているんです。
アネットが本格的に登場するのは
物語の中盤からですが、
でも、物語の冒頭でもチラリと顔を出していて、
この人物が後々物語にからんでくるんだということが
分かるようになっています。



一方ジャン・レノ演じる医師はと言いますと・・・・・・
物語の中盤でいきなり登場し、
収容されるまでどのような生活をしていたのかは
一切語られず、
しかも次第に扱いが小さくなっていって、
最後は単なるモブになっていました・・・・・・・('A`)



うん、ジャン・レノ、要らなくね・・・・・・・?



アネットも、子どもたちの生死は気にするのに、
この医師のことはまったく気にしてないっていうか、
忘れちゃったのかな・・・・・・・・・・(・д・)



ジャン・レノが悪いって言うか、
何でジャン・レノを起用したのか分からない
そんな映画でした。
そこだけが残念。



主役のジョーを演じていたユゴ・ルヴェルデは、
金髪が美しい美少年ですので、
美少年好きはぜひぜひチェックしてくださいね〜(´∀`*)



では、この辺で失礼します。
今日も読んでくれてありがとう。
メルシーボークー!


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