柘榴坂の仇討 [好き放題の映画レビュー]

みなさん、こんにちは!
腐りかけのりんごおばちゃんです!



今回は珍しく時代劇をご紹介します。
『柘榴坂の仇討』です。



桜田門外で暗殺された井伊直弼
その井伊直弼の警護責任者だった志村金吾
主君を守りきれなかったため、
志村は切腹を申し出るがその許しは下りず、
主君を暗殺した水戸浪士を見つけ出し、
主君の仇を討つよう命じられます。


が、明治維新により幕府は滅亡
世の中から【武士】という職業はなくなります。
髷を結った侍の姿もまばらになるなか、
志村は唯一生き残っている水戸浪士・佐橋十兵衛
行方を一人、探し続けるのでした・・・・・・・。



私はあまり時代劇は観ないのですが、
江戸から明治へと時代が変わっていく時期は、
基本的な知識も持っているので、
興味があります。
戦国時代とかは全然ダメなんですよ、
誰が誰やら、まったく知識がなくて('A`)



学校の歴史の授業では、
江戸城の無血開城、
明治維新、
四民平等、
廃藩置県、
なんてサラってやっちゃいますけど、
この時代に生きていた人たちにとって、
これらの変化がどれほど大きなものだったか、
私は常々想像してみるのですが、
いくら想像しても、
遙かに想像の域を超えていただろうと思うんです。



特に、旧士族ですよね。
今まで侍として生きてきて、
侍としての価値観を持ち、
主君に使えることを使命としてきたのに、
突然、
もう侍なんてなしよ〜 主君なんてなしよ〜
って言われちゃったわけですから、
その絶望感やら戸惑いやらは
どれほどのものだったか・・・・・・!
現代に生きる私たちが遭遇する、
会社の倒産なんかとは、
到底比べものにならないレベルの衝撃だったと思います。
いやまあ、会社の倒産も衝撃ですけどね。



【士族の商法】なんて言葉もあるくらいで、
当時の旧士族は、
何とか新しい生き方を見つけようと模索していました。
その大変さってどれくらいだったんだろうと
想像してみて、
そうだなあ、
今日からマサイ族みたいな生活をしろって言われるのと
同じくらいかなあと思いついてみたのですが、
実際マサイ族がどんな生活しているのか、
イマイチ知らないことにも気付きました。
サーセン。



さて、『柘榴坂の仇討』においては、
主人公・志村は、
時代が明治に移り変わっても、
たった一人、【武士】であり続けます。
志村が佐橋の行方を尋ねて街中を歩き、
法務省を訪ねるシーンがあるのですが、
もうそれは、
タイムスリップしてきて別の時代に来ちゃったかのような、
ものすごい違和感があるんです。
あれですよ、
タイムスリップしてローマ人が日本の銭湯に来たような、
ちょっとそんな違和感、滑稽さがあるんです。


が、
ローマ人がタイムスリップしてくるのは作り話ですが、
志村のような【時代遅れの侍】は実際にいただろうし、
明治の頭くらいって、
本当に混沌とした時代なんだろうなあと思わされます。



で、志村は主君の仇を討つべく、
一人佐橋を探し続け、
車屋として慎ましやかな暮らしをしている佐橋を
ついに見つけるんです。
主君の死から既に13年が経過していました。



志村と佐橋が対峙し、
そしてどうなるのか、
それはぜひご覧になって観て下さい。



志村が13年もの長きにわたって、
仇討ちという目的に執着し続けた理由、
いつの間にか時代が移り変わり、
自分の信じていたこと、
自分がかつて依って立っていた価値観が
すべて崩れ落ちていく中で、
志村が頑なに持ち続けた信念
その正体が何かが分かったとき、
もうね、滂沱ですよ、滂沱!
分かりやすく言えば、
うあ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁ
ですよ。



中井ピーチ・・・・いや、中井貴一がいいんですよ!
抑えた演技だけれども、
13年の苦悩が静かに伝わってくる、
そんな演技なんですよ!
仲手川くんも立派になったなあ。・゚・(ノД`)・゚・。



この映画は、
当時の時代背景を知った上で観るべきだと思います。
江戸から明治というパラダイムチェンジは、
パラダイムチェンジという言葉では説明しきれないくらい、
当時生きていた人たちの心を大きく変えたんです。
当時生きていた日本人、一人一人に感情があって、
生活があって、
そして、それぞれがそれぞれの立場で明治維新という
大きな変革を迎え、
右往左往しながら生きていた時代、
そういう時代背景を分かった上で観て欲しい映画です。



派手な映画ではありません。
が、丁寧に作られたとてもいい映画です。
原作は浅田次郎なんですね、知らなかった。
井伊直弼が粋な趣味人として描かれている点など、
歴史的な解釈に違和感を覚える人もいるかもしれませんが、
そこは目をつぶってでも観ていただきたい。
本当にいい映画ですから!



というわけで、
本日はオススメ日本映画を2本ご紹介しました。
どちらも本当にいい映画でした。


今日も読んでくれてありがとう!
また近いうちにお会いしましょう。
メルシーボークー!

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