シェルター 狂気の秘密【DV被害者への同情がいつか支配欲に変化する。強くなれ!と叱咤激励することもまた暴力なんだな】 [好き放題の映画レビュー]

はい、こんにちはー!
私のつたない記事にnice!つけてくださった方、
ありがとうございます!
励みになります。

いきなりモリモリとブログを更新しております。
やっと涼しくなってきて体が動くようになってきました。
私、本当に夏に弱くて、毎年8月はずっと寝てるんですよね。
8月は仕事も比較的暇なので、
ほんと、何もせず、延々と寝ている・・・・・・。

いや、これ、怠惰とかじゃなくて、
本当に体が動かないんです。

だって、もともと日本の夏って暑くても30度でしたよね?
だから30度を超えるとバグるようにシステムが構築されてるんですよ。

さて、そんなこんなで(どんな?)、
またAmazonプライムで映画を観ました。
『おまえ、こんなん好きやろ?」と
Amazonが勧めてきた映画です。

『シェルター 狂気の秘密』、2008年のカナダ映画です。
シェルター 狂気の秘密(字幕版)

シェルター 狂気の秘密(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/07/15
  • メディア: Prime Video


※予告編は見つかりませんでした。

夫の暴力に苦しんでいたダーリーンは、
娘とともに、ソーシャルワーカーが勧めてくれたシェルターに逃げ込みます。
そのシェルターは、ビーという女性が一人で運営しています。
ビーは農場も持っていて、
自給自足のような生活をしています。

ビーはダーリーン親子を無償で受け入れる代わりに、
①農作業を手伝うこと ②フェンスを越えて敷地外に出ないこと ③酒やタバコ、ドラッグなど、依存性のあるものは持ち込まないこと
以上3つの約束を守るよう、ダーリーンに言います。

娘のビクトリアもシェルターを気に入ったし、
ダーリーンはしばらくビーとともに暮らすことにしましたが、
どうにもビーの様子がおかしい。
そもそも、
タバコと酒がやめられないダーリーンは、
最初からビーに隠し事をしているわけで、
罪悪感も捨てきれません。
さらに、
納屋の中には入っちゃだめ
なんて言われたものだから、
ダーリーンは少しずつビーを疑い始めます・・・・・・。

まあ、
このジャケット観たら、どんな展開かは予想できちゃいますよね。

シェルター 狂気の秘密(字幕版)

シェルター 狂気の秘密(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/07/15
  • メディア: Prime Video



優しい仮面の下に隠された、その狂気が暴れ出す!

ですもんね。

仮にジャケットを観ていなかったとしても、
40過ぎて三つ編みにしてる女には気をつけろ!
と、私の警戒センサーは敏感に反応してましたよ。
しかもそいつが自給自足の生活なんて送ってたら、
まずやべえやつだと思え!!
とね。

でも、ジャケットからだと、
『悪魔のいけにえ』並みのスプラッターを想像しますが、
実際はそんなことないです。
そんなにグロくないし、
ホラーというよりは、心理的に削られるスリラー映画。

前回ご紹介した『レベル16 服従の少女たち』を観たので、
謎の施設に監禁されてる系映画としてAmazon勧めてきたのかなあと
最初は思ったのですが、もしかしたら違うかもしれません。
『シェルター』も、『レベル16』と同様に、
社会的に弱者であることを強要された女性が、
女性同士共感し合うことなく、
むしろそこに支配被支配の構造を作り出している、
という物語なんです。

ネタバレしないように書きます。

ビーの来歴は分かりません。
ですが、
恐らく、強権的な両親、あるいは祖父母によって支配され、
農場から抜け出すチャンスを持てずに大人になったのでしょう。
つまり、彼女もまた、「弱い女性」だったのです。

ですが、
自分を支配していた人物がいなくなり、
彼女は自由を得ます。
自由を得たときに彼女が選んだのは、
本来は「弱い女性を助ける」ことだったはずです。
それなのに、彼女はむしろ「弱い女性を支配する」方向に向かってしまったのです。

女性たちが弱いことに苛立ち、
自らが支配することで女性たちが強くなることを強制し、
そして、自分の意に背く女性は排除しようとする、
それは結局、ビーをはじめとした女性たちが、
支配的な立場にいる(主に)男性によってされたきたことそのままです。

弱い者同士が共感し合うことなく、 そこに新たな支配構造を作り出してしまう悪循環が、
この『シェルター 凶器の秘密』には表れています。
果たして、あの農場は誰にとっての「シェルター」だったのでしょうか。

最近、理想のシスターフッドってどんなのだろうって、
ぼんやりと考えているので、なかなかこの映画は興味深かったです。

物語の結末は、まあまあ意外です。どんでん返しです。

今晩は映画を観に行く予定です。
ではまた!
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