瞳の奥の秘密 [好き放題の映画レビュー]

こんにちは! 腐りかけのりんごっちです!



さて、先週末観た映画の最後の一本です!
『瞳の奥の秘密』を観ました。



2009年のアルゼンチン映画です。
アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したとのことで、
観てみました。
アルゼンチンの映画って、なかなか観る機会ないです。



かつて刑事裁判の判事を務めていたベンハミンには、
忘れられない事件があります。
25年前に起きた、強姦殺人事件
美しい若妻が無残に殺された死体で見つかりました。


被害者のアパートで作業をしていたというだけの理由で、
建設作業員(だっけかな)が逮捕され、
しかも拷問による自白を強要されるなど、
捜査の杜撰さが目立ちます。


一方、被害者の夫は、
愛する妻を奪われたショックから、
毎日駅に立ち、
自分で犯人を見つけようとします。
犯人が駅を通るかどうかなんて分からないのに、
夫はそうでもしなければ気持ちが治まらないのです。



正義感あふれるベンハミンは、
自らの手で真犯人を見つけようと調査を始めます。
すると、被害者の女性の写真に、
いつも女性の方を見ている男性
写っていることに気づきます。
被害者と同郷というその男性が怪しいと、
ベンハミンは上司に言いますが、
「いつも彼女のことを見ている」だけでは根拠に乏しく、
なかなか捜査を進めることができません。



・・・・・・という感じで物語が始まっていきます。
過去の事件を扱った物語というと、
未解決の事件の真相が明らかになるというパターンが
多いと思います。
「おみやさん」的な、「コールドケース」的な。


ですが、この『瞳の奥の秘密』はそうではありません。
25年前に、ちゃんと犯人は捕まっているんです。



ちょっとここからネタバレになるかもしれませんが、
ベンハミンの見立てはドンピシャで、
写真に写っていた男が犯人でした。
では、どうしてベンハミンはこの事件を忘れられないのか。



ちゃんと犯人は捕まえることができたのですが、
当時のアルゼンチンは政治的に混乱していて、
せっかく捕まえた犯人は、
恩赦によって釈放されちゃうんです。
私は歴史に本当に弱いのですが、
Wikiを見ただけでも、
当時のアルゼンチンの国内情勢が混沌としていたことが分かります。



つまり、
残忍なレイプ殺人を犯した犯人が、
裁かれることなく釈放されてしまったので、
当時捜査を担当していたベンハミンにとっても、
愛する妻を亡くした遺族にとっても、
25年もの長きにわたって、
気持ちが宙ぶらりんにされてきたんです。


人が罪を犯したとき、
その罪に裁きを与えるのは司法の役目です。
でも、その司法が機能していなかったため、
罪はうやむやとされ、
犯人に対する憎悪の感情も、
行き場を失ったままになってしまったのです。



25年の月日を経て、
ベンハミンは衝撃の事実を知ることになります。
物語の結末は、ぜひご覧になって確かめて下さい。



アルゼンチンの当時の情勢などに詳しいと、
もっと楽しめる映画なんだと思います。
前半はあまり面白いと思えず、
実は、最初観たときは途中で寝てしまいました。


だって、
数枚の写真の中でいつも被害者の方を見ているからって、
それで犯人確定だなんて、
まるで、
肝臓が悪くて黄疸出てるから犯人決定★
みたいじゃないですか!
『ジャーロ』をご参照下さい。


犯人が捕まるまでが、どうにもグダグダしていて、
最初は推理サスペンスものと思って見ていたので、
テンポの悪さにイライラしてしまいました。



ですが、
後半一気に面白くなってきます。
事件の真相が明らかになるのと平行して、
ベンハミンの25年越しの恋も成就するのですが、
25年って長いようで、
人の気持ちを変えるには短い時間なんでしょうね。
ベンハミンの恋心はともかくも、
妻を失った夫の心の傷も、
失った妻への愛情も、
25年ぐらいじゃ消えやしない、
そこにこの物語の悲しさがあるように思いました。



では、ここらで失礼します!
また週末がやってきました。
映画を観たらご報告いたしますね。
いつも、読んでくれてありがとう!
メルシーボークー!

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