眼には眼を [好き放題の映画レビュー]

みなさん、こんにちは!
腐りかけのりんごっちです!



今年は異例の速いペースで映画を観ています。
基本的に観た映画はすべてブログに記録することにしているので、
ブログを確認することで、
自分が観た映画の数が分かります。


今年は年間150本を目標としていますが、
手塚治虫はどんなに忙しくても、
必ず1日1本映画を観ていたといいます。
見習いたいものですよね。



さて、
今日はちょっと古い映画をご紹介致します。
『眼には眼を』です。



1958年のフランス/イタリア映画です。
不勉強ながら、
この映画の存在すら知りませんでした。
たまたまTSUTAYAで見掛けて借りてみたのですが、
いやいや、すごい映画でした。



物語の舞台は中東シリアです。
フランス人医師のヴァルテルは名医として知られており、
現地の病院に勤務医してます。


ある日、
ヴァルテルの自宅に病人を運んできた男がいました。
妻が腹痛で苦しんでいるから観て欲しいと。
しかし、ヴァルテルはすでに自宅でのんびりと過ごしており、
病院までは車で行けばすぐなので、
診察を断り、病院に運ぶように言いました。


翌日ヴァルテルは、
病院に運ばれてきた昨日の患者が死んだことを知ります。
病院に来る途中で車が故障し、
歩いて病院に向かったため手当が遅れたことと、
当直の医師が診断を誤ったことが原因でした。


その日から、ヴァルテルの周囲を男がうろつくようになります。
死んだ患者の夫・ボルタクでした。
ヴァルテルは死んだのは自分の責任ではないと
ボルタクに言いますが、
その一方で、良心の呵責も感じていました。
やがて、ボルタクは恐ろしい復讐を計画し、
実行に移すのでした・・・・・・・・。



いやあ、すさまじい映画でした。
あらすじを読んでいただいてお分かりかと思いますが、
これは【逆恨みによる復讐】を描いた映画です。
ボルタクの妻が死んだのは、
言ってみれば、運が悪かったんです。


その日の当直がもともとヴァルテルで、
車が故障することなく病院に到着していれば、
おそらく妻は死ぬことはなかったのです。
色々な偶然が重なり、妻は死んでしまったのです。


いくら名医と言っても、
自宅で診察するには限界があるし、
あのときすでにヴァルテルは飲酒していたように思います。
あの状態で病院に同行し診察をしたとして、
果たして名医としての診察ができたのか、
疑問が残ります。



【逆恨みによる復讐】を描いた映画は他にも多くありますが、
この映画は他とはちょっと異なります。
例えば、
ロバート・デ・ニーロ主演の『ケープ・フィアー』とか、


以前このブログでもご紹介した『ゆりかごを揺らす手』の場合、


復讐の目的は相手をこてんぱんにやっつけることにありました。
相手を殺す、あるいは相手の地位や居場所を奪うことで、
復讐が達成されるわけです。


が、この映画では、
ちょっと復讐のやり方が違うんです。
これは実際に観てご確認いただきたいのですが、
ボルタクの目的がなかなか見えず、
見えないからこそ恐ろしさを感じるのです。


ヴァルテルの周囲をうろつき、
時にはヴァルテルの飲み食いした代金を肩代わりするボルタク。
何をしたいのか、何をするつもりなのか、
全く分かりません。
さらに、
ヴァルテル以外の登場人物は、
英語もフランス語も喋れない現地人が大半なので、
何を言っているか、
ボルタクと何を話しているのか、
ヴァルテルも、観ているこちらもまた理解できないのです。


自分にとって敵か味方か分からない、
でも、敵である可能性が限りなく高い人物が、
目の前で何だか分からない会話をしている状況って、
不気味ですよね。


シリアという馴染みのない土地、
イスラム教国という異教徒のコミュニティの中で、
ジワジワと追い詰められていく恐怖
描かれているのです。



しかし、改めて考えてみると、
復讐を成し遂げたボルタクは満足かもしれませんが、
コミュニティ全体としては名医を一人失うことになったわけです。
コミュニティとしては大きな損失ですよね。
その点からも、
復讐が虚しいものであることを感じさせられました。


いや、
愛はそもそも至極個人的なもので、
共同体の損益なんて考えないからこそ愛なのかもしれませんね。



では、ここらで失礼致します。
重い映画ですが、非常に見ごたえのある映画なので、
機会があったらぜひ観てみて下さいね〜。
読んでくれてありがとう。
メルシーボークー!

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