誕生日はもう来ない【登場人物の言動意味不明。でもクセになるカルトホラー】 [好き放題の映画レビュー]

こんにちは!

今日は、正直意味分からないんだけれど、
なんだかクセになって繰り返し観ちゃう映画をご紹介します。

1981年のカナダ映画、
『誕生日はもう来ない』です!




誕生日はもう来ない (字幕版)

誕生日はもう来ない (字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video



この映画、
とある高校で「トップテン」と呼ばれる成績上位10人が、
次々と殺されていくというホラー映画なのですが、
登場人物の行動がいちいち変!!!!!

冒頭、いきなり一人目が殺されるんですけど、
駐車場に駐めておいた車に乗った途端、
後部座席に潜んでいた何者かに首を絞められるんですよね。
すわ! 南無三!
と思ったところ、一瞬死んだふりをして車から脱出に成功。
よかった! と思ったら、
なぜかこいつ、駐車場の奥へ奥へと逃げるんですよ。
駐車場の前は人通りもある通りなのに、
こいつはなぜか駐車場から出ようとしない。
もおおおおお、イライラする!!!

場面が変わって、街のパブ。
ここはトップテンのメンバーのたまり場になっているのですが、
飲み会に遅れて現れたメンバー、ネズミを連れています。
片時も離れることのない相棒のようですが、
飲食店にネズミ連れてくんなよ・・・・・・。
しかも、パブで騒いでいるおっさん連中が気に入らないと言い出したメンバーが、
そのネズミをビールの中に入れて、おっさんに差し入れ・・・・・・。
ネズミかわいそうやろ!!!
※つーか、高校生なのに避け飲めるの??

パブを出たメンバーたちは、「ゲームをしよう」といって、
すでに稼働している跳ね上げ橋を渡りきれるかを競います。
ギリギリのところでジャンプして渡りきった車に乗っていたバージニアは、
パニック状態に陥り、車から飛び降り走り去ります。
その様子を見ていたメンバーたち、
「きっと家に帰ったんだろ」。
いやいやいやいや、探せよ! 探してやれよ!

とまあ、どいつもこいつも言動がおかしい。
ちっとも同情できない。
どんどん殺されていくんですけど、
切羽詰まった感じがしない。
なんでしょ、この映画。

主人公のバージニアは、かつてひどい事故に遭って、
一部記憶が欠けています。
事故の詳細はなかなか明かされないし、
事故の後にバージニアが受けたという脳の手術についても、
少しずつ、断片的にしか情報は与えられません。
果たして、トップテンのメンバーはなぜ殺されるのか
バージニアの事故と関係があるのか、
失われたバージニアの記憶にその謎が隠されているのか、
いやあ、手に汗握るわ〜。

殺し方にもバリエーションがあり、そこは楽しめます。
前年に『13日の金曜日』が公開されているから、
【若者たちがいろいろな方法で次々と殺される映画】がブームだったんでしょう。
ただ、この映画に関しては、
全体的に陰湿な人間関係を繰り広げている若者たちが次々と殺されます
特に男。ストーカー気質の男ばっかりです。
すぐに尾行する。すぐに部屋に侵入する。
すぐにパンツ盗む!!

とまあ、散々こき下ろしているように思えるかもしれませんが、
今回で観るのは3回目です。
観終わったら「なんだよこの映画!!!」って
文句言うの分かってるのに、定期的に観ちゃう。

結末はまあまあのどんでん返しが用意されていて、
どんでん返しっていうか、
ポッカーーーーーーーン・・・・・・
な終わり方なんですけれど、
なんかもう、ここまでも十分ひどかったし
もうどうでもいいや!!!って思えます。
何でもありだよ、カナダ!

とりあえずまあ、
こんな高校通いたくない、
そう思える映画です。
昨日観た『ブックスマート』とは大違い!

では、この辺で。また近いうちに。
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー【心優しい青春賛歌! 個性たっぷりの登場人物だらけの快作】 [好き放題の映画レビュー]

こんばんは〜!

予告通り、映画を観てきました!
帰宅したばかりです。
興奮冷めやらぬうちに書いちゃいますね。

観てきたのは、
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』です!



公開前からTwitterで情報が回ってきたのですが、
どうやらかなり面白いらしく、
上映館が増えています。
今日、仲のいい映画友だちが観てきて大絶賛していたので、
私も急遽観に行ってきました!

高校の卒業式前日。
生徒会長を務めたモリーは、
まあ、何というかダサい女子高生です。
大変ふくよかでいらっしゃるし、
何というか、若さのかけらもない風貌。
同級生には40代に見えると陰口を叩かれています。

親友のエイミーは、同性愛者で、環境保護活動をしています。
二人はいわゆる「Book Smart」です。
つまり、ガリ勉の頭でっかちちゃん
でも、モリーは念願のイェール大への進学を決めたし、
エイミーもボツワナにボランティア活動をしに行くことが決まっています。
二人とも高校生活に悔いはないと思っていたはずが、
散々遊び回っていて、どうせ人生においては負け組だろうと思っていた同級生たちが、
そろいもそろって名門大学への進学を決めていたり、
グーグルへの就職が決まっていることを知ってしまいます。
く、悔しい!

だったらワシらも残りの高校生活楽しんだるわ!
と、モリーとエイミーは卒業式前夜、同級生が主催するパーティーに参加することにします。
パーティーなんて初めて!!
二人は場所も知らされていないパーティー会場を目指します・・・・・・。

といった感じで物語。

さて、この映画、とにかく楽しかった!!!!!
ああああ、こんな高校に通いたかった!
こんな青春を送りたかったあああああああ!
と、すでに失われた青春に対してノスタルジーを感じさせてくれる映画です。

おそらく、こんな高校はアメリカには実在しないでしょう。
たしかに、モリーとエイミーは「Book Smart」として
パリピな同級生たちに見下されている側面はありましたが、
だからといって、彼女たちはいじめられていたわけではありません。
そもそも、モリーとエイミーが同級生たちを見下していたので、
同級生たちもまた、モリーとエイミーに距離を感じていただけです。

よく、アメリカの高校には「スクールカースト」があると言いますが、
この映画の中の高校には、そういった陰湿な格差は感じません。
マッチョで、脳みそまで筋肉に侵されているアメフト部のエースも、
そのアメフト部のエースとデキちゃってるチアリーダーも、
この映画には登場しません。
この映画に出てくる高校生たちは、
どいつもこいつも一癖も二癖もあって、
でも、憎むことができないかわいい奴らです。

この映画の世界観を「うる星やつら」に例えている人がいたと聞きました。
たしかに、この高校は友引高校に似ている。
個性と個性がぶつかり合うことはあるけれども、
でも、人格を否定するような陰湿ないじめはありません。
モリーが聞いてしまった陰口は確かにひどいけれど、
あれをモリーに面と向かって言うようなことはない、
モリーを煙たく思っている同級生はたくさんいたけれど、
だからといって、モリーをコミュニティから排除するようなことはしないのです。
少なくとも、
モリーは卒業する前日まで、自分は人よりも優れているし、
生徒会長としての任務をやりきったと思い込むことができていました。
そういう点で、
あの高校はファンタジーだと言えるでしょう。

この映画の監督は、オリヴィア・ワイルド
私はドラマ『Dr.HOUSE』に出演していた印象が強い女優さんですが、
最近だとイーストウッドの『リチャード・ジュエル』にも出ていました。
ろくに前情報も得ずに観に行ったので、
監督が誰かも知らなかったのですが、
観ている途中で、
この映画の監督は女性だろうなあ
となんとなく思いました。

ものの考え方や価値観にジェンダーを与えることが
ジェンダーの再構築にならないといいのですが、
なんというか、男性的な価値観から自由な監督だな、と思ったのです。
上下の階層的なつながりのない、
緩やかに横につながっている世界を作っているな、
そう思ったのです。

そういう点で、
追い込まれて追い込まれて最後にカタルシスを得る!
といったような映画ではなく、
常にどこにでも逃げ場を確保しつつ流れに身を任せて進んでいったら、なんとなくゴールに到達した、
そんな印象を受ける映画です。
もちろん、モリーもエイミーも彼女たちの青春の中で足掻いています。
でも、その足掻きが見てて苦しくないんだなあ。
一緒に歯を食いしばって拳を握って応援しなくてもいいんです。
失敗しても大丈夫だよ〜って、観てるこっちも余裕を持って応援できるんです。
がむしゃらだけれども、他者を蹴落としてまで栄光を勝ち取ろう、
そういった、競争社会の(男性的な)原理とは彼女は無縁なのです。

最後に激推ししたい登場人物がいます。
ジジです!

ジジ、最高! ジジ、大好き! ジジ、愛してる!!!!!!

美人でお金持ちの女子生徒なのに、
チアリーダーとかじゃないんですよ。
もうね、ジジ、狂ってる!
でも、最高にかわいいし、
最高に優しいし、最高に一緒に飲みたいよ!!!!!!

ジジを観るためだけにでも、1800円払う価値はありますよ。
最初の10分くらい、
ちょっと世界観を捉えるのに時間がかかりましたが、
多分、予告編を見てから行けば大丈夫だと思います。
あれだけ個性的な登場人物がたくさん出てくるのに、
誰が誰だか分からなくならないよう整理しているのはすごいと思います。

では、このへんで!

リチャード・ジュエル(字幕版)

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  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/03/19
  • メディア: Prime Video



卒業 デジタル修復版(字幕版)

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  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/02/14
  • メディア: Prime Video



卒業 デジタル修復版(字幕版)(4K UHD)

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  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/02/14
  • メディア: Prime Video



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シェルター 狂気の秘密【DV被害者への同情がいつか支配欲に変化する。強くなれ!と叱咤激励することもまた暴力なんだな】 [好き放題の映画レビュー]

はい、こんにちはー!
私のつたない記事にnice!つけてくださった方、
ありがとうございます!
励みになります。

いきなりモリモリとブログを更新しております。
やっと涼しくなってきて体が動くようになってきました。
私、本当に夏に弱くて、毎年8月はずっと寝てるんですよね。
8月は仕事も比較的暇なので、
ほんと、何もせず、延々と寝ている・・・・・・。

いや、これ、怠惰とかじゃなくて、
本当に体が動かないんです。

だって、もともと日本の夏って暑くても30度でしたよね?
だから30度を超えるとバグるようにシステムが構築されてるんですよ。

さて、そんなこんなで(どんな?)、
またAmazonプライムで映画を観ました。
『おまえ、こんなん好きやろ?」と
Amazonが勧めてきた映画です。

『シェルター 狂気の秘密』、2008年のカナダ映画です。
シェルター 狂気の秘密(字幕版)

シェルター 狂気の秘密(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/07/15
  • メディア: Prime Video


※予告編は見つかりませんでした。

夫の暴力に苦しんでいたダーリーンは、
娘とともに、ソーシャルワーカーが勧めてくれたシェルターに逃げ込みます。
そのシェルターは、ビーという女性が一人で運営しています。
ビーは農場も持っていて、
自給自足のような生活をしています。

ビーはダーリーン親子を無償で受け入れる代わりに、
①農作業を手伝うこと ②フェンスを越えて敷地外に出ないこと ③酒やタバコ、ドラッグなど、依存性のあるものは持ち込まないこと
以上3つの約束を守るよう、ダーリーンに言います。

娘のビクトリアもシェルターを気に入ったし、
ダーリーンはしばらくビーとともに暮らすことにしましたが、
どうにもビーの様子がおかしい。
そもそも、
タバコと酒がやめられないダーリーンは、
最初からビーに隠し事をしているわけで、
罪悪感も捨てきれません。
さらに、
納屋の中には入っちゃだめ
なんて言われたものだから、
ダーリーンは少しずつビーを疑い始めます・・・・・・。

まあ、
このジャケット観たら、どんな展開かは予想できちゃいますよね。

シェルター 狂気の秘密(字幕版)

シェルター 狂気の秘密(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2020/07/15
  • メディア: Prime Video



優しい仮面の下に隠された、その狂気が暴れ出す!

ですもんね。

仮にジャケットを観ていなかったとしても、
40過ぎて三つ編みにしてる女には気をつけろ!
と、私の警戒センサーは敏感に反応してましたよ。
しかもそいつが自給自足の生活なんて送ってたら、
まずやべえやつだと思え!!
とね。

でも、ジャケットからだと、
『悪魔のいけにえ』並みのスプラッターを想像しますが、
実際はそんなことないです。
そんなにグロくないし、
ホラーというよりは、心理的に削られるスリラー映画。

前回ご紹介した『レベル16 服従の少女たち』を観たので、
謎の施設に監禁されてる系映画としてAmazon勧めてきたのかなあと
最初は思ったのですが、もしかしたら違うかもしれません。
『シェルター』も、『レベル16』と同様に、
社会的に弱者であることを強要された女性が、
女性同士共感し合うことなく、
むしろそこに支配被支配の構造を作り出している、
という物語なんです。

ネタバレしないように書きます。

ビーの来歴は分かりません。
ですが、
恐らく、強権的な両親、あるいは祖父母によって支配され、
農場から抜け出すチャンスを持てずに大人になったのでしょう。
つまり、彼女もまた、「弱い女性」だったのです。

ですが、
自分を支配していた人物がいなくなり、
彼女は自由を得ます。
自由を得たときに彼女が選んだのは、
本来は「弱い女性を助ける」ことだったはずです。
それなのに、彼女はむしろ「弱い女性を支配する」方向に向かってしまったのです。

女性たちが弱いことに苛立ち、
自らが支配することで女性たちが強くなることを強制し、
そして、自分の意に背く女性は排除しようとする、
それは結局、ビーをはじめとした女性たちが、
支配的な立場にいる(主に)男性によってされたきたことそのままです。

弱い者同士が共感し合うことなく、 そこに新たな支配構造を作り出してしまう悪循環が、
この『シェルター 凶器の秘密』には表れています。
果たして、あの農場は誰にとっての「シェルター」だったのでしょうか。

最近、理想のシスターフッドってどんなのだろうって、
ぼんやりと考えているので、なかなかこの映画は興味深かったです。

物語の結末は、まあまあ意外です。どんでん返しです。

今晩は映画を観に行く予定です。
ではまた!
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