天才スピヴェット [好き放題の映画レビュー]

こんにちは! 腐りかけのりんごです!



みなさま、週末いかがおすごしですか ?
私は今日は体調が優れず、
今もベッドの中でブログを書いています。


でも、昨日は映画を観に行ったんですよ〜(´∀`*)
『天才スピヴェット』です!



こちらは、『アメリ』を撮ったことで知られる、
ジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作です。



モンタナの農場で暮らす一家。
父親は時代錯誤にも、
一昔前のカウボーイになりきっています。
母親は昆虫学者で、昆虫の観察ばかりしています。
長女は女優に憧れる、お年頃の女の子。
長男と次男は二卵性の双生児です。


双生児とは言え、二卵性なので2人は
体格も性格もまったく違っています。
レイトンはやんちゃで活発、
“カウボーイ”である父親のお気に入りです。


一方、T・S・スピヴェットは、
10歳でありながら天才的な頭脳を持つ科学者です。


家族5人は平穏な日々を過ごしていましたが、
ある日、レイトンが事故で死んでしまいます。
レイトンの死により、
T・S・スピヴェットはそれまで以上に、
自分を必要のない存在だと考えるようになります。


ちょうどそこに、
T・Sの発明した永久運動装置が、
権威ある賞を獲得したとスメソニアン協会から
連絡が入ります。
スメソニアンは、T・Sが10歳の少年とは
知らず、賞の授与を決めたのですが、
T・Sは受賞スピーチをするために、
家族には黙って、1人ワシントンに向かうことにします。



というお話です。
物語としては非常にシンプルです。
弟の死に責任を感じ、
親から愛されていないと思い込んだ少年が、
たった一人で旅に出るわけですが、
最終的にはすべて丸く収まる、
そういう物語です。



しかし、この映画の面白さは、
主人公の少年が天才科学者として設定
されている点です。


子どもが一人で、しかもろくにお金も持っていないのに、
どうやってモンタナからワシントンまで行くのか。
これは実際にご覧になって確認していただきたいのですが、
天才少年の機転によって、
この無謀なプランは敢行されていきます。



もちろん、天才とは言え10歳ですから、
子どもらしい面もあります。
T・Sは周囲の大人たちには煙たい存在だったかもしれません。
特に学校の先生は、
自分よりも頭のいいT・Sが目障りだったでしょう。


しかし、
映画を観ている私たちには、
T・Sは嫌味な存在としては映らず、
子どもとしてのキュートさだけではなく、
その頭のよさで、
周りの理不尽な大人を黙らせる清々しさを持った存在
として受けとめられるようになっています。



キャラクター設定の妙は、
主人公だけではありません。
私は特に、
昆虫学者である母親の存在が物語を面白く、
そして息子の死という設定の悲惨さを
緩和する役割を担っていると感じました。


これは、演じている役者による効果でもあります。
母親を演じているのは、
ヘレナ・ボナム=カーター
この人、独特の雰囲気があるいい女優さんですよねえ。
私は、特に『英国王のスピーチ』が印象に残っています。



ヘレナ・ボナム=カーターによって、
この映画はお涙頂戴の押しつけがましい感動物語
なることを逃れていると思いました。


この人が登場すると、なんというか、
場面に緩やかな空気、緩んだ空気が流れるんですよね。
でも、だからといってコミカル過ぎるわけでもありません。
コミカル過ぎたら、
〈息子を失った母親〉ではなくなってしまいます。
〈息子を失った母親〉の悲しみは表しつつ、
しかし過剰に物語を悲劇には仕立てない
そのバランスをうまく取っていたのが、
このヘレン・ボナム=カーターの存在によるものだと
感じました。



科学者であるT・Sは、
色々な現象を観察し、記録することが好きです。
が、
人間は物事を客観的に見ることができても、
自分自身のことを客観的に見るのは難しいんですよね。


実は、T・Sの周りには、
両親がT・Sを愛していることを示すファクターが、
たくさん散らばっているんです。
が、レイトンを失った悲しさと自責の念が、
T・Sから理性的な観察眼を失わせます。


そもそも、
生きるということは理性的でも合理的でもありませんから、
どんなにT・Sが天才科学者であっても、
うまく生きることができるかというと、
決してそうではないわけです。


T・Sは科学に関しては大人以上の才能を持っているけれど、
生きることにおいては10歳の子どもでしかありません。
10歳の子どもとしての苦悩、不器用さ、
そこにこそ、普遍的な人間らしさや弱さがあるし、
T・Sが科学者としての理知でごまかそうとする態度は、
私たち大人なら誰もが経験したことのある"虚勢”だと言えるでしょう。


つまり、この映画は、
主人公を天才少年として設定したことによって、
物語にキュートさやコミカルさを与えると同時に、
単なるファンタジーに留まらない人間ドラマを描くことに
成功していると言えるのです。



T・S・スピヴェットくんは、
子どもだけれど大人、
大人だけれど子ども、
言ってみればコナンくんのような存在なんですよね!
(そうなのか????)



ところで、この映画は3D映画として作られていました。
2Dでも公開されているのですが、
2D上映の回が極端に少なかったので、
今回は3Dで観てきました。


私は、映画を3Dにすることには批判的で、
基本的に2D上映で観ることにしています。


なぜアンチ3Dかというと、
3Dにすることの必要性を感じないし、
3Dにすることによって、
ただでさえ高い鑑賞料金がさらに高くなるからです。


というか、映画に限らず、ゲームでもテレビでも、
3Dにすることに意味を感じないんですよねえ。
3DはキャプテンEOに任せておけばいいじゃないですか〜('A`)
3Dにするとかえって疲れるし〜。



『天才スピヴェット』は久しぶりに観た3D映画でしたが、
まあ、別に3Dじゃなくていいだろう、という
至極当たり前の感想しか持ちませんでした。
それほど3Dを意識して作られているとも思えないし、
DVDで観るときには結局2Dで観ることになりますから。



以上、昨日観た映画のご報告でした!
昨日遊んじゃったので、
今日は仕事をしなければなりません。
とは言え、
だるくて動きも緩慢なので、
たいして進まないかも。
映画観る時間取れるかなあ・・・・・・・('A`)


まあ、また観たら報告しますね!
今回も読んでくれてありがとう!
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